[ C301型 ] 台北捷運 淡水信義線用
C301型は台北捷運の車両。台北捷運の淡水線が開業した際に導入された車両で、現在でも現役で使用される。川崎重工業(現在の川崎車両)と、同社と日商岩井(現在の双日)の合弁によるアメリカ企業「ユニオン・レール・カー・パートナーシップ」の2社による製造で、米台・日米の貿易摩擦を背景に、兵庫県で作られた車体にニューヨーク州で艤装を行う、という面倒な方法が取られた。
全長23.5m・片側4扉の大型のステンレス車体で、車体幅3,180mmと小断面のトンネルを両立させるため台形とかまぼこ型を組み合わせたような車体断面。集電方式は第三軌条式。同じ川崎重工が製造したシンガポールMRTのC151系と非常に似た見た目をしており、他社が製造したものを含めてその後の台北捷運の車両の標準的なデザインとなった。
全車が北投機廠に配置され、淡水信義線の運用につく。台北捷運の運転系統が現在のものになる前は、新店線や中和線に直通していたこともある。
「C301」という形式名は入札番号に由来しており、車体には書かれていない。車両番号は象山方から10XX-20XX-30XX-30YY-20YY-10YYの6両編成(XX、YYは連続する奇数と偶数)で、車両番号の百の位が0であることで他の形式とは区別される。

21+22編成 象山方より 関渡にて 2025/12/21
トンネルの車両限界を可能な限り活用する特徴的な断面で、側面が上に向かってすぼまって行く。C301系のデザインは、帯色なども含めてC371系までの各形式に引き継がれた。

19+20編成 象山方より 明徳にて 2025/12/22
中央の非常脱出口には窓が設置されていない。台湾には前面展望という概念がないこともあり、乗務員の視界が確保されていれば十分という考え方なのだろう。

05+06編成 淡水方より 北投機廠にて(復興崗駅通路から) 2025/12/21
C381型との並び。基本的な構成は変わらないものの、前面デザインが大幅に変化したことが分かる。

側面
23.5mの長い車体に片側4枚の扉がついている。側扉は外吊り式。

台車
川崎製のボルスタレス台車で、第三軌条式のため集電靴が取り付けられている。

側面行先表示器
台北捷運の車両は全て青帯で、日本の多くの地下鉄のようにラインカラーをまとっていない。そのため、中正紀念堂や西門などの対面乗り換えできる駅で誤乗しないよう、行先案内表示機の色で路線をわかるようにしている。淡水信義線は赤色で、かつて新店線に乗り入れていた当時は新店行は緑色の表示だった。
車内は変則的セミクロスシートだが、両先頭車と中間車で座席配置が異なる。日本とは定員の算定方式が異なるようで、定員は驚異の370人/両とされている(日本の算定方法では200人/両程度と推測される。JRの標準的な通勤車は140〜160人/両前後)。

中間車車内
セミクロスシートで、スタンションポールが多数設置されているのが特徴的。導入当初は床が木目柄だったようだが、更新工事により現在の色となった。

セミクロスシート
座面はFRP製で、色は水色。荷棚は設置されていない。紺色の優先席が各扉間に2席ずつ設置されている。
座席の配置は向かい合わないセミクロスシート(「非」字型と呼ばれているようだ)。日本では見かけないこの座席配置はC321型以降の各形式にも引き継がれたほか、台鉄の通勤車の一部にも採用された。

先頭車車内
先頭車は中間車よりも立席面積を増やしており、中央以外の扉間がロングシートとされている。

ロングシート
扉間の座席数はセミクロスシートとロングシートで変わらない。

側扉
側扉は両開き式で、日本の標準的な通勤車よりも幅が広く見える。鴨居部には3色LED式の側面案内表示器が設置されている。

更新前の鴨居部
オリジナルの案内表示器は赤一色のLED式で、時計の表示がない。次の駅で開く側の扉は、両側の2つのランプが点灯する。

先頭部
台湾には前面展望という概念がないため、運転室後部には窓が設置されていない。運転室の背面には、座席が2席だけ設置されている。
運転室内は見えないが、ATOを採用し、加減速と駅到着時の開扉は自動化されているという。
・形式のデータ
沿革 1997/03/28:営業運転開始 ※製造は1992〜1994年
編成数・両数 6両22編成(2026/05現在)
・ページのデータ
取材:2025/12/18・2025/12/19・2025/12/21・2025/12/22
公開:2026/05/06
更新:公開後未更新